CMCとHPMCの違い
カルボキシメチル セルロース (CMC) とヒドロキシプロピル メチルセルロース (HPMC) は、食品、製薬、およびパーソナルケア業界で広く使用されている 2 種類のセルロース誘導体です。どちらも増粘剤、安定剤、乳化剤として使用されますが、CMC と HPMC には、異なる用途に適したものにする重要な違いがいくつかあります。この記事では、化学構造、特性、用途、安全性の観点から、CMCとHPMCの違いについて説明します。
- 化学構造
CMCは、植物の細胞壁に含まれる天然ポリマーであるセルロースに由来する水溶性ポリマーです。 CMC の化学構造は、セルロース骨格に結合したカルボキシメチル基 (-CH2-COOH) によって特徴付けられます。 CMC の置換度 (DS) は、セルロース骨格のアンヒドログルコース単位 (AGU) ごとに存在するカルボキシメチル基の数を指します。 CMC の DS は 0.2 ~ 1.5 の範囲であり、DS 値が高いほど置換度が高いことを示します。
HPMC もセルロースに由来する水溶性ポリマーです。ただし、CMC とは異なり、HPMC はヒドロキシプロピル基とメチル基で修飾されています。ヒドロキシプロピル基 (-OCH2CHOHCH3) はセルロース骨格上のヒドロキシル基に結合し、メチル基 (-CH3) はヒドロキシプロピル基に結合します。 HPMC の置換度は、セルロース主鎖の AGU あたりに存在するヒドロキシプロピル基とメチル基の数を指します。 HPMC の DS は 0.1 ~ 3.0 の範囲であり、DS 値が高いほど置換度が高いことを示します。
- プロパティ
CMC と HPMC は、異なる用途に適した異なる特性を持っています。 CMC と HPMC の主要なプロパティの一部を以下に示します。
a.溶解性: CMC は水への溶解度が高く、透明で粘稠な溶液を形成します。 HPMCも水によく溶けますが、置換度によっては溶液が濁る場合があります。
b.レオロジー: CMC は擬似塑性材料であり、せん断減粘挙動を示します。これは、せん断速度が増加すると CMC の粘度が低下することを意味します。一方、HPMC はニュートン材料であり、せん断速度に関係なく粘度が一定に保たれることを意味します。
c.皮膜形成特性: CMC は優れた皮膜形成特性を備えているため、コーティングやフィルムでの使用に適しています。 HPMC にはフィルム形成特性もありますが、フィルムは脆く、亀裂が入りやすい場合があります。
d.安定性: CMC は、幅広い pH および温度条件にわたって安定しています。 HPMC も広い pH 範囲にわたって安定していますが、その安定性は高温によって影響を受ける可能性があります。
- 用途
CMC と HPMC は、食品、製薬、パーソナルケア業界の幅広い用途で使用されています。 CMC と HPMC の主な用途の一部を以下に示します。
a.食品産業: CMC は、アイスクリーム、サラダドレッシング、焼き菓子などの食品の増粘剤、安定剤、乳化剤として一般的に使用されています。 HPMC は食品の増粘剤や安定剤としても使用されますが、グミキャンディやチョコレートなどの菓子製品のコーティング剤としてよく使用されます。
b.製薬業界: CMC は、医薬製剤の結合剤、崩壊剤、錠剤コーティング剤として使用されます。 HPMC は、医薬製剤の結合剤、崩壊剤、錠剤コーティング剤としても使用されます。
投稿時間: 2023 年 3 月 1 日